最近、Huizengaは、Sars-cov-2に感染した高齢者にNMNカクテル治療を投与する研究を発表した。その研究では、カクテル療法が臨床的パラメータから見ると、速いかつ顕著な変化を示した。患者たちはNMNのカクテルを飲むと、血液中の炎症マーカーが低下し、白血球(リンパ球)の数の増加も見られた。Huizengaは、研究に参加したCovid-19感染者に朝食と夕食の前に1日2回、NMNカクテル83 mlと水400 mlを内服するようにした。投与したカクテルは濃度が指定されていない市販のNMNと3種類の補助剤から作ったものになる。
Huizenga氏は、これらの補助剤はNAD +に依存するタンパク質(サーチュイン遺伝子、Sirtuins)の活性を最適化にし、細胞の健康維持に重要な役割を果せると考えている。NMNカクテルのブースター(booster)は、ビートから抽出されるビテチンの合成物で、NAD+の障害を防ぐあるいは阻害する物であり、塩化ナトリウムはNMNが体内の吸収を強化するもので、亜鉛は細胞がストレス障害と炎症による損傷から保護するNFE2L2(Nuclear factor erythroid 2-related factor 2)というタンパク質の機能を強めた。
この研究には、平均年齢65歳のCovid-19感染者9人が含まれており、2人が糖尿病、5人が早期糖尿病、2人が重い心臓病を持ち、3人が高血圧薬を服用しており、6人が肥満である。9人全員が発熱、咳、昏睡の症状があり、ほとんどが寝たきりの状態であった。9人のうち、6人が嗅覚を失い、5人が下痢を訴えていた。
治療受ける前の患者特徴
Huizengaはこれらの患者がCovid-19の症状が現れてから5―34日以内に投与を始めた。9人のうち4人は重症で、酸素飽和度のレベルが悪化していたが、NMNカクテルは2― 3日内に熱を下げるなど、臨床的に急速な改善を見せた。特に、治療後に集中治療を必要とする患者はない。
Huizenga, Robert, Dramatic Clinical Improvement in Nine Consecutive Acutely Ill Elderly COVID-19 Patients Treated with a Nicotinamide Mononucleotide Cocktail: A Case Series (August 17, 2020). Available at SSRN: https://ssrn.com/abstract=3677428
Journal Reference
Omran HM, Almaliki MS. Influence of NAD+ as an ageing-related immunomodulator on COVID 19 infection: A hypothesis. J Infect Public Health. 2020 Sep;13(9):1196-1201. doi: 10.1016/j.jiph.2020.06.004. Epub 2020 Jun 7. PMID: 32534944; PMCID: PMC7275989.